高校卒業後の進路が決められずに悩んでいませんか?
大学は、高校までと違い分野を絞って学んでいきます。
しかし、適当に入学を決めてしまうと、その分野に興味を持てなく、勉強することが辛くなってしまう可能性も。
それなのに職業能力開発総合大学校の情報って少ないと思いますよね。
実は職業能力開発総合大学校は「ものづくりで使う技術を学ぶこと」を前提とした学校です。
入学すると「働いた時に役立つ技術」、「働く人を育てる技術」、「能力開発に関する研究」などの分野を学べます。
今回の記事では、職業能力開発総合大学校の評判、入試情報、進学状況、学べることを詳しく紹介します。
- しっかり実技なども学びたい人
- 私立大学や専門学校より学費を抑えたい人
- 卒業後は安定した職に就きたい人
進路選択に悩んでいる人はぜひ読んでみてください。
職業能力発総合大学校とはどういう学校?
職業能力開発総合大学校の概要
職業能力開発総合大学校は、厚生労働省が運営する省庁大学です。
通称「職業大」、「PTU」と呼ばれ、その名の通り、就職に直結するスキルや能力を身につけることができる大学になります。
設立は1961年と古く、2023年の現在では全校生徒約320人が学んでいます。
省庁大学校には国としてのミッションが与えられている
省庁大学校とは、文部科学省が所管する一般大学とは異なり、国としてのミッションが与えられている高等教育訓練機関を指します。
そして職業能力開発総合大学校の最大のミッションは、
「日本のものづくりを支える“人”を育成するための人材を育てること」
職業能力開発総合大学校で学んだ学生が「ものづくりのプロ」になるだけでなく、ものづくりの経験のない人たちに技能や技術を伝達して教育する「人づくりのプロ」になることを目指しているのです。
そのため、機械、電気、電子情報、建築の4つの専攻を設け、それぞれの分野に特化した実践的で密度の高い教育を行っています。
キャンパスの所在地
職業能力開発総合大学校は東京都東京都小平市小川西町にキャンパスを構えており、
最寄り駅は西武拝島線・西武国分寺線「小川」駅とJR武蔵野線「新小平」駅となっています。
小川駅からは徒歩5分、新小平駅からは徒歩25分程度で到着できます。
また、キャンパス周辺には飲食店やコンビニエンスストアなども多数あり、学生生活を充実させるための環境が整っています。
職業能力開発総合大学校の相模原キャンパスは閉校している
実は平成23年までは職業能力開発総合大学校は小平市と相模市に2つのキャンパスがありました。
しかし平成24年度末より、相模キャンパスは閉校し、現在は東京校キャンパスとして小平市に集約されています。
間違えることはないと思いますが、ご注意ください。
職業能力開発総合大学校の評判はどうなの?
講師陣や教育スタッフの質と評判
職業能力開発総合大学校は教員が100名以上在籍しています。
専門分野の第一線で活躍している教員はもとより、テクノインストラクターの国家資格を持つ教員も半数以上いるので、知識や技能に裏付けされた教員たちから多くのことを学べます。
学生一人あたりに対しても教員の数は多いため、親身になってくれます。
さらに教育指導、研究指導、就職支援を行う手厚いサポート体制がすでにできているので、安心して学ぶことができます。
普通科から進学しても安心なカリキュラム
実習が多い実験が多いということで、普通科の高校を卒業した方は非常に心配ですよね。
しかし職業能力開発総合大学校では8 割が普通科出身の学生となっており、在校生全体でも 80 ~ 90% は普通科出身です。
基礎から学ぶカリキュラムになっており、教授たちも人を育てるプロなため専門科目は問題ないです。
むしろ数学は工学系では必須なので、普通科で勉強した知識が役立つことも。
さらに自信の無い方を対象に基礎数学演習という教科もあり、苦手意識を取り除くサポート体制もしっかりあります。
学生寮が完備されているので一人暮らしでも安心
職業能力開発総合大学校には学生寮が完備されています。
その名も「滄水寮」。
職業能力開発総合大学校は立地が東京ですが、学生寮のため、とても安く住めます。
1人暮らしが不安でも寮があると安心ですよね。
しかも見てみると昔の学生寮のイメージと違うのも素敵です。
SNSの評価やコメント
職業能力開発総合大学校は圧倒的に知名度は低いため、Fラン大学と思われています。
さらに職業訓練の感じが強いため、他の人に話して失業者や訓練生に間違われることも。
しかし知名度がないからと言って、教育の質が低い訳ではありません。
むしろ技術が身に付き、コスパが良く、穴場的な大学だと思います。
職業能力開発総合大学校の入試はどうなのか?
入試は共通テスト不要の3科目
職業能力開発総合大学校の一般入試の受験科目は3科目で
- 英語(リスニングなし)
- 数学(1A・2B・Ⅲ)
- 理科(物理・化学から選択)
になります。
さらに国立大学に入るための共通テストが不要になります。
また独自日程で実施するため、他の国立大学の併願も可能です。
偏差値・倍率
各専攻の偏差値、倍率は以下のようになっています。
学科(専攻) | 偏差値 | 倍率(2022年)一般入試 |
---|---|---|
機械専攻 | 40 | 1.4倍 |
電子専攻 | 37.5 | 1.2倍 |
電子情報専攻 | 42.5 | 2.0倍 |
建築専攻 | 42.5 | 1.7倍 |
偏差値や倍率からみても、かなりの穴場ではないでしょうか。
職業能力開発総合大学校の学費はどうなの?
学費は国公立大学と同等
職業能力開発総合大学校は国の期間が運営しているため、学費は国立大学と同等に設定されています。
国立大学は私立と比べると、家計にはとても優しいのが特徴です。
日本学生支援機構の奨学金が使えない
実は日本学生支援機構奨学金は文部科学省所管の学校のみが対象となります。
なので職業能力開発総合大学校では、日本学生支援機構奨学金は利用できないので注意が必要です。
しかし職業能力開発総合大学校には奨学金貸付制度(技能者育成資金制度)が設けられています。
職業能力開発総合大学校で学べることは役立つのか?
カリキュラムの特徴と構成
職業能力開発総合大学校では生産現場の指導者になり得る人材の育成を目的とし、職業訓練と大学教育の一体化教育を行っています。
また製造現場で必要となる知見を実用になる形で徹底的に学べるだけでなく、学んだものを現場で活用するためのノウハウも身に付けられます。
しかし卒業に必要な単位は178単位、授業時間は5600時間が必要。
特に実験や実習の時間は一般の大学に比べ、3500時間と長く、より実践的なスキルを磨くことができます。
学科・専攻一覧
学部は、総合課程のみで、機械、電気、電子情報、建築の4つの工学系専攻から構成されています。
また各専攻の生徒数は約20名と少なく、一人一台の最新機材や設備で技術を磨くことができるのが特徴です。
機械工学を基礎として、生産技術に関わる様々な分野で幅広い問題解決能力を養い、さらに新製品とその生産方法を自ら創案できる設計・生産能力の基礎を習得できる
電気工学を基礎として、生産技術と様々な分野の現場で発生する問題の原因究明、対策の提案、新製品や生産プロセスの設計・制作・評価のための基礎能力を習得できる
電気・電子・情報通信工学を基礎として、生産技術と関係する様々な分野の現場で必要な問題解決能力を養い、新製品や生産プロセスを設計・制作・評価するための基礎能力を習得できる
建築工学を基礎として、建築の生産技術における幅広い問題解決能力を養い、さらに建築物の生産方法を自ら提案できる設計・生産能力の基礎を習得できる
「技能」の修得を裏付ける資格を取得できる
職業能力開発総合大学校を卒業すると得られる資格は主に2種類あります。
この2種類以外にも在学中に学習すれば、他の専門資格にも挑戦することも可能です。
技術士補
技術士補は、技術者のための国家資格の一つです。
「補」という字からわかるように、技術士補は技術士の業務を補助する技術者のための国家資格といえます。
職業訓練指導員
在学中に職業訓練指導員のコースを履修することで得ることができます。
指導員は全国の施設で、職業につながるような技術を身に付けたいと思う人々に技術を身に付けられるようサポートしています。
職業能力開発総合大学校の就職・進学はどうなの?
卒業後の進路は自分次第
職業能力開発総合大学校は、7年連続で100%の就職率を達成しています。
また、職業能力開発研究学域の修士相当課程や他大学の修士課程にも進学しています。
進学には、大学院入試の勉強は必要ですが、大学校での数学・英語の授業を土台にして4年間の対策をすればどこかには合格できます。
卒業生の就職先は2種類
職業能力開発総合大学校の就職先は主に職業訓練指導員と民間企業への2種類に分かれています。
卒業生の約6割は民間企業、4割は職業訓練指導員に就職します。
特徴としては、多くの学生が、少ないエントリーで志望度の高い企業に就職している状況です。
また2022年3月の有効求人倍率は5.9倍と職業大生に企業が期待しているのが伺えます。
やはり確かな知識と技術を身に付けた職業大の学生は、景気の低迷にも負けず早期に内定を取れています。
キャリア支援や就職支援
職業能力開発総合大学校では就職活動のスケジュール、自己分析に特化した「職業手帳」とオリジナルの「ガイドブック」の配布などがあり、学校側のサポートもしっかりしています。
さらに毎年3月に学内合同企業説明会が開催されています。
約40社と多くの企業が参加しており、職業大生の採用に積極的です。
職業能力開発総合大学校は各専攻が少人数のため企業とじっくり会話でき、顔を覚えてもらいやすいのが特徴。
職業大生の学生生活
学生クラブ活動の充実度
職業能力開発総合大学校では、学生クラブ活動に力を入れており、様々なクラブが活動しています。
- バレーボールサークル
- サイクリング部
- 野球部
- ロボット部
- 建築研究会
- フットサルサークル
- 少林寺拳法部
- アナログゲーム同好会
- 音楽部
- 模型部
- バスケットボール部
- 自動車部
- バトミントン部
こうしたクラブ活動を通じて、学生同士の交流やアイデアの共有ができ、スキルアップや人脈形成につながることもあります。
また東京にキャンパスがあるのでインカレなどに参加することもできますよ。
学内行事の特徴
職大では、学生たちが交流を深めるための様々なイベントが開催されています。
5月:球技大会
8月:インターンシップ(2・3年)
10月:技能五輪
11月:イルミネーション、学園祭
職業能力開発総合大学校のイルミネーションは有名です。
また、業界研究会や企業説明会などのイベントも多く開催されており、就職活動に役立つ情報収集ができることも魅力の一つです。
学内行事は、学生生活の楽しい思い出を作ることができるだけでなく、学生たちの成長にもつながる大切な経験となるでしょう。
職業能力開発総合大学校でよくある質問
- 大学校と大学の違いはなんですか?
-
大学校と聞いてピンと来る人はなかなかいませんよね。
大学校とは、文部省以外が運営している教育機関が運営している学校のことです。
しかしその中でも大学と同等の教育課程を学べる学校を「省庁大学校」といいます。
全国に省庁大学校は7校あり、職業能力開発総合大学校もそのうちの一つ。
認知度こそ低いですが、
職業能力開発総合大学校は厚生労働省が所管し、学位が取得できる大学になるので安心です。
詳しくはこちらをご覧ください。
職業能力開発総合大学校は大卒扱いなのか?学歴について徹底解説 この記事では、職業能力開発総合大学校は大卒扱いになるのか、大卒扱いと思われにくい原因について詳しく解説しています。 進路に迷う方は、ぜひ読んでみてください。 - 職業能力開発総合大学校と職業能力開発校との違いはなんですか?
-
職業能力開発総合大学校と職業能力開発大学校の一番の違いは学位が取得できるかどうかです。
どちらの大学校も仕事で使える技術を学び、ものづくりのプロを目指すって点では一緒です。
ですが、そこからさらに
- 学位を取得しておきたい
- 教えるのが好きで職業訓練員の免許を取得しておきたい
- 立地が良い東京でキャンパスライフを充実させたい
そんな人には職業能力開発総合大学校をおすすめします。
職業能力開発総合大学校と職業能力開発大学校の違いを徹底解説【比較】 職業能力開発総合大学校と職業能力開発大学校のそれぞれの違いや特徴をわかりやすく解説します。 差を理解をした上で、自分に合う大学を選びましょう。
職業能力開発総合大学校への進学を検討するなら
理系の大学は将来安泰なのか?
職業能力開発総合大学校のように理系に就職すると食べていくのは困らないと言われています。
誰しもが知っている企業に入りやすく、年功序列で給料は右肩上がり。
親族からの受けもよい。
そんな安定思考で筆者も理系の大学に進学しました。
ただ、理系のメーカーは、地方の僻地で働かされるリスクあったり、日本の強みものづくりもグローバルな競争が激化しており、立場が脅かされないとは限らないです。
また社会に出ると、結局文系色の方が年収が高かかったりします。
しかし、そういう経緯で入れる文系って優秀な層だけだと言われるかもしれません。
ただ理系も単位を取ったり、レポート書いたり、卒業するのは一苦労なので、理系卒業した人が就職強いというより、就職強い人が理系卒業してるだけのような気もします。
あと、自分のコミュ障で就活で不安があるから理系という人もいるかもしれません。
ただ、文系にも公認会計士など資格を取れば安定して高収入になれる職業は存在します。
就職=安定みたいな保守的な思考だけで、理系進学を決めてる人がいたらもったいないです。
しっかり調べて比較の目線を持ってください。
職業能力開発総合大学校と比較するなら分野や大学の種類が違う、サイバー大学の資料をみておくべきです。
卒業後のイメージの良さ、稼げる額、スキルも全然違います。
比較せずに盲信するのはもったいないので、
まずは比較の目線をもったうえで、職業能力開発総合大学校に入ったほうが後での後悔も失くせますよ。
>>無料の資料請求はこちら
まとめ
職業能力開発総合大学校へのイメージが少しでも変わったかと思います。
- 少人数教育を受けられ、プロを育てるための設備も充実
- 学ぶことで、実践的な知識と技能を習得することができる
- 出身高校に関係なく、安心して実践的な知識と技能を習得できる
- 共通テストの必要がないため、国立大学にも併願することが可能
- 生産技術の学位を取得することができる
- 学費の負担が少ない
- 国家資格を取得できる
- キャリア選択は自分次第
魅力が多く、このような学生にはおすすめの大学です。
- 生産現場でものづくりのリーダーになりたい
- 人に教えるのが好き
- 手に職をつけて安定したい
- 親から国立大学に行けと言われている
また高校生のうちは実感がないかもしれませんが、今の進路選択は将来を左右する大事なものです。
ぜひ色々な大学を見て、比べて後悔のないようにしてください。